夏の高原キャンプツーリング in 信州      ビーナスラインを走る  前編     

自転車

8月上旬。

夏真っ只中のこの時期、暑くてたまらない下界から涼しい北アルプス(または南アルプス)に縦走登山に行く。

今まではそんな山行が夏の定番だったが、最近では有名山岳地に人が多く、場所に寄っては駐車場に停められないとか、キャンプ場の予約が取れないなどといったことが増えている(らしい)。

う~ん、山に入って自分のペースで歩けなかったり、混んでいるキャンプ場に泊まる事を想像すると自分の理想的な登山スタイルではない。

僕は一人静かに山を歩くのが好きなのだ。北アや南アは大好きだが混雑している山は好きではない、夏真っ盛りの北アルプスはきっと混んでいるだろう。

よし今回は自転車にしよう。狭いエリアに集中する山と比べて自転車のツーリングならば混雑に遭遇することもないだろう。

そして行くのならば少しでも涼しそうな高原に向かおう。

高原といえば長野県。長野県の高原には美ヶ原や霧ヶ峰高原といった有名観光地があり、それらをつなぐビーナスラインと呼ばれる高原道路がある。

ちなみに自転車のルートとしても良く雑誌などで取り上げられることがある。良しここに行こう。

今回は佐久平駅から白樺湖を通り、ビーナスラインを楽しんで諏訪湖に抜ける。

そして更に南下して伊那市まで行くルートを二泊三日で計画した。

2025年8月18日 第一日目

朝4時起床。5時出発。いつもの常磐線で上野まで行き、上越新幹線に乗り込む。

常磐線では他の乗客の邪魔にならないように車両の隅で立っていた為に座れなかったが、新幹線は最後部の座席後ろスペースに荷物を置け、少し離れた席に座れた。

8:13佐久平に到着。

構内には佐久の名産であるお酒の酒樽と、なぜか名探偵コナンのボード。

更には北斗の拳のキャラクターの像が。

知らなかったが原作者の武論尊さんは佐久市の出身らしい。へぇー。

改札を出て蓼科口に向かう。群馬までは晴れていたのに少し雲多め。

「幸せの鐘」の前にあったベンチで輪行を解く。

幸せの鐘! 鳴らしてみようかなと思い、逡巡していると通りすがりの中学生から「おはようございます」と声を掛けられた。びっくりしながらも挨拶を返す。

今時見知らぬ大人に挨拶をしてくれるなんて嬉しいな。

輪行袋を開けて、中の自転車を出す。

車輪を固定しているベルトを外して前後輪をフレームに固定。フロントキャリアを六角レンチで固定したらキャリアにパニアバッグを取り付ける。肩にかけていたショルダーポーチをハンドルにセットしたら出発準備は完了。

輪行は随分と慣れたと思ったがまだ1時間はかかるのね。

佐久平駅を出発

到着時には曇っていた空もいつの間にやら強い日差しが照りつけていた。

日焼け止めを塗って9時15分出発。

イオンと公園の間を抜け県道44号線に出た。

以前は峠の釜めしで有名な「おぎのや」の店があった(かなり前)所にカインズが出来ていた。この辺りも随分と変わったなぁ。

県道44号線を道なりに進めば本日の目的地にすんなり行けるが、幹線道路を走るのはつまらない。

旧中山道に寄り道することにする。

狭いが交通量少なく走りやすい。水田や民家が立ち並ぶ古い家並みの合間を走る。

信濃川水系の千曲川にかかる佐久橋を渡る。

千曲川は日本最長河川と言われる信濃川367kmの大半214kmを占める大河川だ。

中野市から飯山市までカヤックで何度か川下りをしたことがある。河原でキャンプして焚火をして楽しかったなあ。また久しぶりに行きたいと思う。

                                          橋の欄干には佐久名物の鯉と気球

                             

国道142号線に入る。案内標識にはこれから向かう白樺湖の表示も現れた。

周りは田畑が広がっているので視界が広く周りの山がよく見える。方角的に八ケ岳、霧ヶ峰、奥は南か、中央アルプスか。反対には浅間もよく見える。

幹線道路だが交通量も多くなく、道も整備されて走りやすい。

道路わきにはマリーゴールドが植えられていて目に鮮やか。

この先にある「道の駅あさしな」で少し休憩。

道が上り基調になり始めると田園から山あいの風景に変わった。

さらに進み、望月の交差点。左に向かうと白樺湖に向かう道だ。

しかしお腹がすいた。朝食に電車内でPBJ(ピーナッツバタージャム)サンドを半分食べたきりで駅からここまででコンビニに寄るのも忘れていた。

この先は白樺湖のローソンまで店がない。そこまでの我慢が出来ないので、真っすぐ行った先にある西友に寄り道して食料を補充。店の軒先でおにぎりを頬張る。

望月の交差点からはすぐに登りが始まる。

車も少ないローカルな道かと思いきや、結構通る車が多い。

県外ナンバーが目立つので観光客のようだ。よく考えるとこの先は蓼科、白樺湖、美ヶ原と高原ドライブの有名観光地が控えているではないか。

しかし比較的緩やかで、時々フラットになるなど脚を休めるタイミングもあり比較的順調、時々給水などで休む。

しかし採石場付近から斜度が増してきたようで前後ともにローギアにしてもきつくなりストップ。

休憩の頻度が増す。体力が回復しないので時間も長くなる。しかも眠い。

更にまた内膝から腿にかけて痛くなり始めた。こうなると走れない。脚が止まる。しかしこのままでは進まないので押し歩き。

やがて右に進むと白樺湖方面に向かう分岐がある場所で休憩。それにしても車が多い。そういえばまだ夏休みだし、お盆休みをずらした人も多いだろう。

                                        ふぅぅ、ようやく立科町だ。

そこからはは更に急な峠道になる。ここでも押し歩きが増える。

ここから広く明るい高原の様相になる。上りのキツさを抜きにしたら最高のツーリングルートだ。

まーくー?!

トンネルに遭遇。脇に歩行者用通路があったのでそちらにに向かう。といっても舗装されたような道ではなく大きく山道を迂回するような山道。しかもかなり荒れている。

しかしぬかるんだ道には足跡があったので人が歩いたばかりなのかなと思ったが、靴のソールパターンがない。もしかして熊?!まさか!ははは!などと考えながら頻繁に現れる足跡をみていたら、突如大きな糞の固まりが3つ程あった。これは絶対熊のうん〇だ!しかもまだ柔らかい。

早く立ち去ろう。それにしてもこんな大通りのトンネル脇を徘徊しているなんて…

道端はさらに広がり、登坂車線も現れる。つまり斜度もきつくなるということだ。

はぁはぁ・・・     どうしても押し歩きが多くなる。

山間の道路に突然現れたのは「長門牧場」。ここには多くの車が出たり入ったりしていた。

牛とソフトクリームのオブジェがある。

高原にある牧場で食べるソフトクリームは美味しいだろうな~

押し歩きとノロノロ運転で進むとまたもやソフトクリームのオブジェ。

広い駐車場は8割方埋まっており、しかも出入りが多く車やバイク、人がワサワサしている。

みんな本当にソフトクリームが好きなんだね。

とはいえ僕も大好きなのだ。

ふらふらとハンドルを左に傾け、おもむろに自転車を停めて店内に入る。

店内にはソフトクリーム以外にもチーズなどの乳製品が販売しており、また大きな窓際には席もあり、そこで購入した物を食べている人達でほぼ満席。

牛乳ソフトクリームとコーヒーソフトクリームがあり、牛乳を選ぶ。値段も430円で観光地にしては良心的かな。外に出て空いていたベンチに座りソフトクリームにかぶりつく。

美味い。

甘さが前面に出ずミルク感はあるがさらっとしている。

暑いからか、自然な材料しか使っていないからかアイスの溶け具合が早い。あっという間にコーンからこぼれてきてしまうのでやや急いで食べる。

店の目の前が牧場でその先は山があるという壮大な景色。

群馬側の荒船山や妙義山など西上州の山々や、浅間山も見える。

美味しいソフトクリームを食べて元気復活。

また坂を上るが間もなく雨境峠の頂上に出た。

ここが峠の最高点1530メートル。

ここからは多少アップダウンあるがほぼ下り。

直線でみるみるスピードが上がる。イェーイ———-!

あっという間に女神湖。道路からは湖面は見えないが、建物や景色に高原の避暑地といった風情が感じられて素敵な雰囲気だ。

付近には揃いのウェアで走っている若者もいる。きっと夏合宿に来ている運動部の学生であろうか。

白樺高原スキー場を左手に見て右折。そのまま白樺湖まで下る。

白樺湖に到着

なんじゃこれは・・・

白樺湖には以前何度か来たが随分と変わっていて驚いた。まずローソンが都会でも見かけないようなオシャレローソンになっていてガラス越しにレジ待ちの行列ができていた。

車も人も多く、道路反対側には遊園地のような施設があり、くるくる回る乗り物に乗っている人達の歓声が聞こえる。

混雑や渋滞を避けて、ここに来たのにこの喧噪。

早くここを立ち去りたい。しかしこれからどうしようか?

実は随分と遅れており、当初宿泊予定していたいずみ湖キャンプ場まではまだ後20キロ以上もある。ここまで約5時間かけてまだ38キロしか走っていないのだ。

もうすぐ16時。このペースだと19時くらいになりそうだ。

今夜の寝床は・・・

このまま進み途中で良さそうな場所でビバークするしかないと決断、ビーナスラインに入る。

白樺湖が眼下になり目の前は車山の高原地帯が広がっている。

よく考えたら高原地帯のこの先はビバーク出来る可能性は低くなるだろう。ならば白樺湖近辺のほうがあるかもしれない。そう考えて引き返して湖に向かって下る。途中で良さそうな公園があったが注意書きで白樺湖付近は指定地以外はキャンプ禁止とある。なんと公式にキャンプは不可なのか・・・

湖畔にでもキャンプしようと思ったがこうして「禁止」と言われると張るわけにはいかない。

仕方がないので近くのキャンプ場を検索。1件のみ可能性があったので電話をかける。すでに17時を少し回ったところで本日は終了と言われるがそこをなんとかと頼み込み、現在地が近いことも奏功して了承を得られた。

キャンプ場は大門峠から北に下り姫木平という別荘地にあった。

17:10頃到着「姫木平ホワイトバーチキャンプフィールド」ハイシーズン料金2500円支払いフリーサイトに設営。

初日の行動終了

キャンプ場の奥にはテントや車も多数見えるが、広い敷地の為に混雑している感じはなく解放感があり気持ち良い。

樹々に囲まれた中に設営する。

すぐ横を車道が通っているので、日中は走行音がするがあまり交通量は多くなく夜には静かになった。

米を炊き、蒸らした後、玉ねぎを炒め、イワシ蒲焼缶のたれで味付け。ご飯に玉ねぎ、その上にイワシ蒲焼を乗せる。生味噌のインスタント味噌汁と一緒に食べる。

簡単なキャンプ飯だが、ここまで漕いできた疲れと達成感、そして空腹が普段よりも何倍も美味しく、幸せを感じられるのだ。

そしてビールを流し込むとき、緊張感が緩み今日一日の無事を安堵する至福の時間となるのだ。

夜は涼しくなり気温は18℃ほど。さすがに高原地帯、下界の暑さとは隔世の感があり涼しくて快適だ。

気持ちよく眠りについたが、夜半になって脚が痙攣。長い上り坂とこの暑さが効いたのか・・・

つかっちょ野遊び日記 | 夏の高原キャンプツーリング in 信州 ビーナスラインを走る  後編

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